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ゆかし あたらし

いろいろ書きます。穂乃果ちゃんが好きです。

熱くなれても壊れやすい ーラブライブ!1期12話と花田十輝についてー

艦これ3話のとある描写に関してシリーズ構成の花田十輝さんへの批判が高まっています。
それに関して、同じく花田十輝さんがシリーズ構成を担当し脚本も記述したラブライブ!1期12話に対する批判も改めて目にします。

穂乃果ちゃんが大した理由もなくμ'sを放り投げた事が納得できない。それがよく見る批判です。
しかし、本当に穂乃果ちゃんがμ'sを投げ出した事は不自然な事なんでしょうか?僕は決してそうとは思いません。

まず、意外に思われるかもしれませんが普段はあれだけ明るく楽観的でも穂乃果ちゃんのメンタルは弱いです。それは花田十輝さんの書いたアニメではなく、公野櫻子さんの書いた"School idol diary(以下SID)"から読み取れる事です。
穂乃果ちゃん短所であり長所でもある「思いつきで周りを巻き込む」という性格について「それで周りを苦しめてるんじゃないのか」という事を穂乃果ちゃんが過剰なまでに気にしてる事はSIDの秋の学園祭の4つ目の話から十分に読み取れます。
そこでもう1回、12話を見てみましょう。 パーティーの場所で海未ちゃんがことりちゃん留学を告白し、穂乃果ちゃんがことりちゃんに詰め寄り、ことりちゃんがそれに我慢できずに逃げ出します。ただでさえその前のラブライブ!出場辞退の一件のせいでそういう事に過敏になっている中で、自分のそういう性格のせいで苦しんでいたことりちゃんを自分が更に追い込んでしまったという事実は十分に大きかったんじゃないんでしょうか。また、それにことりちゃんを庇おうとした海未ちゃんが追い討ちをかけます。
一言一言が穂乃果ちゃんの本当に痛い所に刺さるように作られてるこのシーンは流石だと感じました。

しかし、どれだけそういう風に精神的にキツい状態になっても穂乃果ちゃんみたいな子があんなに熱意を持ってやってた事を投げ出すかと疑問に思う人も多いと思います。
確かに、μ'sの一番の目的である「廃校阻止」を実現してアイデンティティが揺らいだのも大きい事は理解できるがそれでもあそこまで...と思う人も多いでしょう。
それを理解するには穂乃果ちゃんの性格をもう一歩深く見ていく必要があるでしょう。
まず、穂乃果ちゃんは「周りを苦しめる」という事を気にしてました。これは仲間想いと言えるのではないでしょうか。そんなのわざわざ書くレベルじゃない程明白な事ですよね。そんな彼女がことりちゃんという大事な仲間を失うという事はラブライブ!出場辞退より遥かに重くのし掛かるのは当然でしょう。そして、そんな自分がどうしても許せなくてどんどん自虐的になっていきます。
そして、穂乃果ちゃんが「自分勝手な行動」と悔やむ対象は文化祭のライブ前にした自分の行動だけにとどまりません。そう、廃校の知らせを聞いてその時思いついた事、そう「μ'sの結成」それすらも悔やみはじめているのです。A-RISEのライブ映像を見て穂乃果ちゃんは呟きます。
ーーーおいつけないやーーー
親友を苦しめて目指す場所には到底届きそうにない、そんな自分の「わがまま」に価値なんてあるのか。きっとそう思ってるのでしょう。もちろん、μ'sは奇跡的な速度で順位を上げてきましたし、廃校も阻止できました。そんな事は穂乃果ちゃんも理性では分かってると思います。しかし、穂乃果ちゃんが心の奥底から本当に見てるのは"頂点"それだけなのです。こんなんなら辞めた方がいいに決まってる自虐的になってる彼女がこう思うのも仕方ないでしょう。
そして、それがあのタイミングで爆発します。自己嫌悪が産んだ過度にネガティブで自虐的な思考、エリチはすかさずそれになんの意味もないと鋭く指摘します。しかし、理性的な批判で爆発は収まるわけがありません。そして、 穂乃果ちゃんのスクールアイドルに対する想いがすぐ投げ出す程の事だったと勘違いしたにこちゃんが怒り爆発します。ここではにこちゃんの心情は省略しますがこれが当然な事は考えれば理解できるでしょう。

怒ったにこちゃんは言います。
「こんな事で!!」
これはまさに穂乃果ちゃんがμ'sを投げ出した事をうまく理解できない多くの視聴者と同じ気持ちじゃないでしょうか。にこちゃんは穂乃果ちゃんの内面が分からないので穂乃果ちゃんが本気じゃなかったと決めつけました。しかし、僕たち視聴者は穂乃果ちゃんの内面を知っています。穂乃果ちゃんが本気だった事を知っています。だからこそ更に分からなくなります。
しかし、ここまでご覧になった方はもしかしたら、穂乃果ちゃんにとってはそれは「こんな事」じゃなかった事、そして穂乃果ちゃんのこの時の言動は不自然な物じゃないと分かってくれるかもしれません。(そうなったら幸いですが)
穂乃果ちゃんの性格は決して一般的じゃありません。僕も似たような経験がなかったら穂乃果ちゃんの心情は決して分からなかったと思います。

最後に、こんな特殊な性格をきちんと描ける花田十輝さんは無能どころか有能であると僕は考えます。
僕は彼がアニメの脚本家で一番好きです。