ゆかし あたらし

いろいろ書きます。穂乃果ちゃんが好きです。

ラブライブ!サンシャイン!!はなぜつよいのか (μ'sとAqoursの比較によせて)

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最初に

 まず先に断っておきたいのは僕はそれなりに二次ドルを見てきました。アニメですとプリパラ・アイカツ・プリリズ(AD/DMF)・アイスタ・アイパラ・WUG・アニデレ・ラブライブ無印を全話見てきましたし、曲でいうと更にナナシス・リステ・エビスト・アイコネ・ワルキューレ・ミリオンはよく聴いてますし、ライブはアイマス(ミリ/デレ)・リステ・アイカツ(アイスタ)・WUG・ナナシスAqoursを生で見てきています*1。その上で僕は一番好きな二次ドルを聞かれたらAqoursと答えます。

 今回は最初にあげた記事を受けてAqoursはなぜ強いのか。Aqoursが何をしようとしているのかという事について書いていきたいと思います。

 

Aqoursのアニメと構造について

 件の記事にはアニメについての言及がなぜかありません*2。細かくアニメの事を言い出すと1話ごとに数千文字の記事ができるのでここでは大雑把にAqoursのアニメのつよさについて考えていきたいと思います。

 まず、Aqoursのアニメのテーマはなんでしょう。まあ一言で言うと「輝き」でしょう。しかしそれでは具体性が乏しいのでもっと具体的に考えてみましょう。僕は地方だからできないを「地方だからできる」に変える話だと思っています。

 ラブライブというのは元から聖地というか舞台になってる土地をすごく大切にしてきたアニメです。それは次の記事を見て頂ければよく分かると思います。一つは手前味噌で恐縮ですが。

 

d.hatena.ne.jp

sasakirione.hatenablog.com

 だからこそ今回も同じように舞台を大切にしたお話が出てくると期待していましたが想像以上でした。

 いま巷では地方創生や地方再生って言葉が各地で言われています。しかし未だに多くの地方は「寂れた」ままで暮らす人々も行政もどこか諦めています。だからこら地方だからできないを地方だからできるに変えるラブライブ!サンシャイン!!は本当につよいんです。

 全国津々浦々どこにでもある普通の田舎町、それでもそこは誰かが育ってきた景色だしだからこそ消しちゃいけない景色なんです。それを分かりやすくちゃんと言い切ったのがラブライブ!サンシャイン!!なんです。

 君のこころは輝いてるかい?に「本当に望む事なら叶うんだと証明してみるんだ」という歌詞があります。この物語はそういう日本中に蔓延る閉塞感を本当に望むなら吹き飛ばせるんだと証明するための物語なんです。さっきの記事のコメントに露骨な聖地推しに疑問を呈するようなコメントがありますが、それはナンセンスです。*3ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursが目指すところはまず内浦でそれを証明することなんじゃないんでしょうか。

 

Aqoursのライブについて

 まず先に断っていますが僕はそれなりに二次ドルのライブを見てきましたがその中でもAqoursは一つ飛び抜けていました。もちろん僕がずっとラブライブのライブに行きたかったのにチケットが手に入らず行けなかったっていうのもあるでしょうが客観的に見てもあれは素晴らしいライブでした。

 何が素晴らしかったかというと確かな意志が感じられた事でした。これはアイマスのライブとかがそうなんですがただ曲やるだけのライブが普通の二次ドルのライブなんです。あくまで曲の盛り上がりでライブを作り上げていく、そんなライブが普通なんです。だからこそそういうライブはセトリだけで評価する事ができます。しかしAqoursは違います。緻密にくみ上げた一本のラインを観客に叩きつけるようなライブなんです。もちろんライブに参加することを重視する人からは物足りなく感じるかもしれませんがだからこそ圧倒されて何も言えなくなるんです。ちなみに他にこのようなライブをするコンテンツはナナシスがあります。

 ここからは件の記事の批判になりますがまずアニメを再現するライブというのはデレマスでもやってますしアニメがそれなりに流行った二次ドルだと普通にやることだと僕は感じています。また僕はμ'sのライブは生で見たことがなく一回5thをBDで見ただけですがμ'sのライブはただ曲やるだけのライブに感じられました。確かにそれもいいんでしょうがやっぱり僕はAqoursナナシスがやってる方が好きです。参加するだけのライブに行きたいならmixや家虎しても白い目で見られないところに行きます。僕はね。

 

Aqoursの楽曲について

 楽曲についての批判は一理あるように感じます。確かにAqoursはブチ上がれる曲は少ないですし、どちらかというとブチ上がれる曲が好きな僕はちょっと不満を感じているのも事実です。しかし、だからAqoursの曲が弱いとは全く感じません。Aqoursの楽曲はラブライブの楽曲でありながらμ'sの楽曲ではないいいさじ加減を感じますし、今までのラブライブでは挑戦してこなかった新しいジャンルにもがんがん挑戦していまし、確かにブチ上がれる曲は少ないですが未熟DREAMERみたいにエモに振った曲は他の二次ドルコンテンツに全く劣っていないと思います。件の記事ではテーマがわかりにくいと言われていますがテーマはさっきも述べた通りきちんと明確にありますしそれが楽曲全体にちゃんと反映されています。そういう事がちゃんと分かっていればAqoursのやろうとしてる事が無謀じゃないとはとてもじゃないけど言えないでしょう。

そして具体的な楽曲比較になった時に出てくる楽曲が恣意的すぎます。SEVENTH HAVENとepisode Soloなら分かりますけどSEVENTH HAVENとDaydream Warriorじゃ確かにどちらもEDMではありますが全く違うジャンルというか雰囲気じゃないですか。スリリング・ワンウェイだってQoPと比べるのはいくら何でも雰囲気が違いすぎませんか。トリコリコの批判だってナナシスから持ってくるならSiSHを持ってくるべきです。こういう雑な比較をしていると主観だけと思われても仕方ないんじゃないんでしょうか。

 

最後に

 この人はラブライブ!サンシャイン!!が現状売るためだけの企画としか思えないと言っていますがそれはどう考えても間違いだと僕は考えています*4。そりゃμ'sと同じくドームに立つ事が目的だと思っているならいまのAqoursのやってる事がμ'sの遺産を食い潰すような行為に見られるかもしれませんが、さっきも説明した通りラブライブ!サンシャイン!!がやろうとしてることはそれよりももっと大きな事なんです。ラブライブ!サンシャイン!!がどれだけ内浦にいや大都市から周縁化された地方に向き合ってきたか。そしてそれをどう変えようとしているのか。それをちゃんと感じてください。僕からはそれだけです。

 

 

(111)ぼくらは地方で幸せを見つける (ソトコト流ローカル再生論)

(111)ぼくらは地方で幸せを見つける (ソトコト流ローカル再生論)

 

 ラブライブ!サンシャイン!!の個人的副読本です。良かったら本屋で立ち読みするだけでいいんで手に取ってください。

*1:あんまりこういうマウント取りはしたくないんですが件の記事にAqours信者はAqours以外のコンテンツを知らないって書いてあったので念のため

*2:おそらく見てないのでしょう

*3:実際に僕の知り合いにいる聖地巡礼オタクはラブライブ!サンシャイン!!について内浦の魅力を全く伝えられてないと批判していますし僕もその通りだと思います。ただラブライブ!サンシャイン!!は内浦の物語というより普通の田舎町の物語だからそれでいいんです

*4:営利企業がやってる事ですから金儲けが最重要なのはまあ置いておくとして