アイドルと政治 (1394文字)
最初に断っておきたいのは僕はアイドルの政治利用自体には肯定的であるということです。まず僕はラブライバーです。μ's自体、当初は国立学校の廃校というある意味政治的な問題をなんとかするために活動を始めたわけで、アイドルの政治利用自体が悪いとは僕は全く思いません。それを前提として今日はいま話題の制服向上委員会というアイドルさんについて思う事を書いていきたいと思います。
まずは実際に制服向上委員会さんの曲を聴いてもらいましょう。
どこかで使い古されたような簡素であんまりクオリティの高くないメロディに大して難しくもないダンス、そして極めつけは最近流行の若者デモでよくやるような即興ラップのような低レベルで何のひねりもない歌詞。これじゃ変わる物も何も変わりませんよ。たとえ反原発に熱狂的な人だってススメ→トゥモロウみたいな歌詞の歌(自分たちの社会を変えたいという気持ちを応援してくれるような歌詞をしてる歌)を歌われた方が嬉しいんじゃないかって思うんですよね。他の曲もおおむねこの調子で二次元とはいえアイドル好きの僕からすると評価されるポイントが全くないように思えてきます。実際に反原発よりの人の中でも良識のある人たちは僕と同じ事を思うそうです。
「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」の気持ち悪さ - あび卯月☆ぶろぐ
多くの人が問題にしてるやらされてるだとか洗脳されてるだとかはどうでもいいと思います。政治的なメッセージを発するならもっとマシになってくれないかと思うわけですよ。僕も二次元ですけどアイドルが好きでアイドルソングが好きで、それらの力を信じてる人間としてそれらが社会を変えるのが見たいです。だけどこれじゃ無理ですよ。
しかもプロデューサーさんのTwitterを見てるとこんな事をつぶやいてます。
マスコミのレベルの低さに驚きだ!酷さのTOPは音楽関係でアイドルがメッセージを発信するのは馴染めないだと。一度で良いからグラミー賞やアカデミー賞、TONY賞を観て欲しい。メッセージがないなら作品を創る意味はないし政権与党を批判しただけで左翼にはならない。SKiは「きよく」なのだ。
— 高橋廣行 (@IJR_takahashi) 2015, 7月 6
確かにこの国には政治アレルギーという物があるかもしれませんが、この曲が馴染めないのはただ単にクオリティが低いからです。マスコミさんだってサザンのピースとハイライトみたいに多少政治色が入っててもバランス感覚があってクオリティがそれなりになら好感的に扱ってくれます。このアイドルの歌がそうならなかったのは繰り返しますがあまりに低クオリティだったからです。それを相手の程度が低いから理解できないと勘違いしてるのはちょっと痛々しいですし、何よりその低クオリティな楽曲を著名な賞を取るような作品と同レベルに扱ってるところがもうなんとも言えません。後半はもはやよく分からないのでつっこみません。
とにかく僕が言いたいことはもっといいクオリティを上げろとアイドルを舐めるなって事の二つです。アイドルっていうものはただ曲出して踊って歌えばいいものじゃないんです。物語を売るのがアイドルです。政治主張だけじゃ人は動きません。政治主張を広められるような素敵な物語を売れるアイドルがでてきたら本当に世界は変わってくるのかもしれませんね。