アニメ考察についていろいろと (2197文字)
1.はじめに
みなさんはアニメを見て考察とかするタイプですか? しないタイプですか?
僕はどちらかと言うとするタイプだと思います。
今回はアニメ考察とかをしていて思った僕のそれに対する持論を書きたいと思います。
それぞれの見出しが独立した文章ですし、思いついたらその都度追加していきます。
2.作者と考察
アニメ考察を割としてる人たちは必ず一回は「作者はそこまで考えてないと思うけど」みたいな事を言われたことがあると思います。僕もその疑問に前はうまく答えられませんでした。
しかし、作者がどこまで考えてるかなんてそんなに大切な事でしょうか?
この記事は少し極端ですが大筋ではその通りだと思います。
作者が何を考えて書いたのかより、僕たちがどう感じたかの方が大切なんじゃないんでしょうか。主観的すぎると思われるかもしれませんが、アニメというのは映像コンテンツであるため、完全な客観性を持って文章に落とし込むことは不可能ですし、人間の心理を読み取れる技術なんてものは存在しません。そんな中で客観性を保つのって不可能だと僕は思います。
僕が最近考えてるのはアニメ考察という物はある意味二次創作の一つなんじゃないのかということです。アニメ自体をベースとしてそれらの行間を補うための何かを自分で作る事。それがアニメ考察なんじゃないんでしょうか。だからこそアニメ考察という物は考察記事ではなく二次創作の小説や漫画やSSなどに還元されるべきな気もします。
3.考察はなんのために
アニメ考察をしてる人は必ず一回は「そんなに考えてアニメを見て楽しいの?」とか「アニメは頭を空っぽにして見る物でしょ?」と言われたことがあると思います。でも、僕にはちょっとそういう考えが理解できないんです。確かに頭を空っぽにして見るアニメもあります。最近見たアニメですと、考える暇を与えずにハイセンスなギャグをどんどん打ち込んでくる『てーきゅう』や頭の回転数を自然と下げ心を優しさで包み込に自然と涙がこぼれ落ちてくる『たまゆら』などが頭をからっぽにして見る物だと思います。あと『ラブライブ!』もとくにこれといって考えなくても感動できる人が多いみたいですね。
これらに共通する事はなんでしょう。それはポルノのようなものであることです。
『てーきゅう』は笑いのポルノでありますし、『たまゆら』は優しさのポルノです。そして『ラブライブ!』は青春のポルノです。*1
ポルノというと悪いイメージが付くような気がしますが、僕は決してそうではないと思います。俗にポル産アニメと言われるそのままの意味でのポルノは別ですが、それ以外の物でポルノ作るのってなかなか難しいと思うんですよね。感動のポルノや青春のポルノはまだしも、笑いのポルノなんて才能がないと作れないように思えます。考える必要のあるアニメと考える必要のないアニメだったら普通に考えると前者の方が優秀な気がしますが、考えたら面白いアニメと考えなくても面白いアニメだったらどう考えても後者の方が優秀で作るのも難しいように僕は感じます。
つまり何が言いたいかというと頭を空っぽにして見て面白いアニメという物は限られてますし、それ以外のアニメはある程度頭を使わない限り面白くないと思います。萌えのポルノだけで作品を見続けられるような忍耐力は僕にはありません。
それでも、考えてばかりだとアニメは楽しくないんじゃないの?って思う人たちはまだいると思います。それはとんでもない誤解です。考察しながら見る事によってアニメは何倍も面白くなりますし感動するようになります。考えてアニメを見てつまらないって思うのは考える事が作品の外側をなぞるような物ばかりだからではないでしょうか。キャラの心情に対する考察という物は作品を見る事によって得られる感情の高まりを更に強化します。
単純に考えてみてください。例えばラブライブ!の1期4話で最後のμ'sに花陽ちゃんが入るシーンは感動するシーンとよく言われてますが、花陽ちゃんが「μ'sのメンバーにしてください」と言うところだけを見せられたら果たして感動するでしょうか?
何も感動しませんよね。あのシーンが感動するのはアイドルに憧れて本当はやってみたいと思いながら自分には無理だと決めつけていて、諦めていた夢への一歩を友人の助けを借りながらもちっぽけな勇気を頑張って振り絞ってやっと一歩を踏み出したという前情報があってこそのあのシーンであって、あのシーンだけ見せられたも感動しません。
感動って言う物はポルノ的な作品じゃなければそういう前情報があって初めて生まれる物なのです。そのような隠された前情報を探すことが面白い考察なのです。これによって隠された前情報を見つければ見つける程感動できる場所が増えます。そして、その前情報を元に心の中でキャラクターの心情をシミュレーションできるようになれば、アニメの感動は一気に高まります。*2これこそが考察をする意味なんじゃないんでしょうか。